こんにちは、アッコです。
昨日は、珍しくお風呂に本を持ち込み、長風呂タイムを楽しみました。近眼をいいことに、見て見ぬフリをしていたカビ退治をしたことで、浴室がピカピカに。最高の癒し空間となりました。
皆さま、大掃除は進んでますか?
さて。
先日お届けした、空き家と地域の未来をテーマにした座談会【前編】では、じゃばお君とsahoさん夫妻が、生前整理アドバイザーの陶尾裕子(すえおひろこ)さんをゲストにお招きし、空き家の現状や課題、その解決に向けたアプローチについて話し合いました。
続く【後編】では、移住者が地域に溶け込むヒントや、これからの地域づくりの核となる取り組みについて深堀りしていきます。

陶尾さんの詳しい情報はこちらから▷▷▷ HP / Instagram
移住者が地域に溶け込むためには

陶尾さん:私は愛知県から、縁もゆかりもない三田市に越してきました。三田市は、移住者の受け入れに積極的で、その扱いには慣れています。小さい子供を連れての移住でしたが、地元の人たちに快く受け入れてもらったおかげで、すんなり馴染むことができたんです。
じゃばお君:僕とは真逆ですね。この場所は奥さんと出会う前に見つけて、自宅と設計事務所を作るために改修を始めたんですが、一年半くらい1人でコソコソやってました。だから、馴染むどころか知り合いすらいなかった。
陶尾さん:え〜?! それって田舎では絶対ダメなやつじゃないですか(笑)
sahoさん:でしょう?この人ね、めちゃくちゃ人見知りなんですよ!
ーーその後、じゃばお君とsahoさんは結婚し、余ったスペースをカフェとして利用することに。しかし、お客さん用の駐車場がなく、場所探しに奔走します。ようやく見つけた候補地も所有者が分かりません。問い合わせた役場では、たらい回し。それでも何とか持ち主を突き止めました、高齢のご夫婦です。sahoさんは1人でそのお宅を訪ねます。

sahoさん:最初、奥さんに「どちらさん…?」って、すごく警戒されたんです。事情を説明したら「あんたらか〜!」って、それまで奥に隠れてたご主人が出てきた(笑)幸い納得してくれて、土地を譲ってもらうことができました。
ーー実はこのご主人が地元の長老のような存在の方で、後日、お祭りに連れて行かれたsahoさん。ここで、たくさんの人を紹介してもらい、それがきっかけとなり、地元の人たちと仲良くなれたと言います。
じゃばお君:奥さんのおかげで、僕も近所のおばあちゃんの家の床を直したり、防災訓練とかに参加しながら、少しずつ関係を築いていけるようになりました。
sahoさん:だからかな、お店をプレオープンした時は、おじいちゃんとおばあちゃんだらけだったよね(笑)
陶尾さん:わぁ、素敵〜。田舎で暮らす以上、地域の人に受け入れてもらうことは大切ですよね。
ーー移住する人が地域に溶け込むためには、自ら積極的に接点を持つ姿勢が欠かせません。また、地域の行事や活動に顔を出し、共に汗をかくことも大切な鍵となるようです。
地域のコミュニティを支える核づくり
陶尾さんの住む高平は、里づくり協議会が運営する“コミュニティカフェ”が盛んな地域。町巡りツアーや、高齢者が楽しむ歌声喫茶、未就学児に向けたチャイルドカフェなど、多彩な活動が展開されているのだとか。

陶尾さん:田舎だけど「結構面白い」みたいな街になりつつあって。この事例を他の地域に紹介するほど、田舎としては成功しています。
じゃばお君:へぇ〜。猪名川町はむしろ、地域のコミュニティを支える核となる存在が減ってきています。ただ、僕自身空き家を改修して、地域の核になるような体験をしたことで、個人商店にはその役割を担える可能性があると信じてる。
だから、これから空き家のマッチングをしていくうえで、まずはお店を始めたい人や個人事業主を優先的に集めたいんです。それに、家にいる時間が長ければ、となりの人が困っているときにも、すぐに手助けができますよね。地域の核が増えれば、それだけ人と人のつながりも深まると思います。

『我が家』が主役の暮らし
座談会の終盤、陶尾さんが移住生活の魅力について語りました。
陶尾さん:私は田舎暮らしって、家で過ごす時間にこそ価値があると思うんです。移住仲間と「高平で、どこが一番好き?」と話しても、みんな口を揃えて「我が家!」って答える。友人の中にも、コロナ禍で在宅勤務ができるようになって、朝は草刈りして、8時になったらオンラインで出社。仕事が終わったらまた畑仕事に戻る。そんな新しいライフスタイルを楽しんでいる人もいます。
sahoさん:この人も、畑仕事が趣味!昨夜もヘッドライト付けて、せっせと夜中まで玉ねぎの苗を植えてました。
陶尾さん:“ちまこま喫茶“さんのご飯って、野菜が主役!って感じですよね。アイディアも本当に素晴らしくて、感動しました。
sahoさん:ありがとうございます。でも、ご飯作りは結構ノリですね。ただ、採れたての野菜は味が違うというのは、私もすごく感じるかも。

陶尾さん:(頷きながら)遺品整理をしていると、お金を持っていることと幸せは必ずしもイコールではない、ということに気付かされます。人間、いつかは死ぬ。だったら、お金を追い求めるよりも、健康で楽しく暮らすことが一番じゃないかな。
sahoさん:わぁ、寺嫁っぽい発言!でも、確かにそう。手っ取り早く稼ぐ方法はあるけど、私たちも働く対価をお金だけでは割り切れない。だから、お金持ちにはなれそうもないんですよね。
じゃばお君:僕は、お金は欲しいよ…(笑)でも、家で仕事しながら畑とかやって、仲間とワイワイやる時間がなによりも楽しい。そうなると、外で働くという選択肢はなくなる。
sahoさん:そうそう、楽しい方が勝つよね。この空き家の活動も、半分はボランティアだし。
陶尾さん:でも、そういう楽しさって不思議と伝わるんですよね。だからこそ、この活動を通じて、地域がもっと魅力的な場所になっていくんじゃないでしょうか。空き家の再生や新しい暮らしの提案が、少しでも多くの人に届くよう、一緒に頑張っていきましょう。

空き家を単なる課題として捉えるのではなく、地域の新しいコミュニティを生み出すきっかけにしていく。
ーーそんな希望を感じさせてくれる座談会でした。陶尾さん、楽しい時間をありがとうございました。
次回は、猪名川町へ移住してきた2組のご家族へのインタビュー。
なぜ、猪名川町に?ーその理由や住んでみて感じたこと、暮らしぶりなど、移住を考えている方にも役立つヒントが詰まったお話をお届けします。どうぞお楽しみに!